百合ミステリ 「友達以上探偵未満(麻耶雄嵩)」2025/04/10
じゃあ今日読んだ「友達以上探偵未満(麻耶雄嵩)」の話をしますが正直な所百合なのかどうなのか絶望的なバッドエンドで終わるのかそれとも…という不安でトリックがほとんど頭に入らなかった所はあるが、実際には非常に百合でした。最高。
これ単なる名探偵木更津悠也の二番煎じになるんじゃと読む前は思ったけどそこは差別化がきっちりされてて良い。向こうは探偵の素質とは推理力ではないという話だった訳だけどこっちはなんスかね、探偵の孤独の話とかそういうやつってか百合だよ百合!
3作の短編が収録されている今作だけど、初読でも割と上野氏のムーブは気にはなってたんだけど1話の兄妹間の恋愛に突っ込んだり2話のタラシムーブにツン反応したり、2人の関係性の解決編でもある3話では完ッ全に独占欲マシマシでしたね…
上野氏、というか麻耶作品で探偵を自称する奴らは基本自分がメタ的、事件を解決する特権的な能力を持つ存在だと自覚していて、しかし上野氏は半人前なので他の作品のような確固たる自信を抱くまでには抱いていない、という所はまぁ萌えポな訳ですが
しかし伊賀ちゃんは恐らくパンピー側から探偵側に寄ってるタイプの半人前でそういった自覚無く育ってきたため咄嗟の探偵的な振る舞いや行動を起こせず、しかし探偵になるという志だけは抱いている。上野氏との対比!才能と努力の対立。実質まほチョビ
そもそも伊賀ちゃんが探偵役を諦めそうになってる時に、単純に見捨てて距離を置くという選択ではなく手元に置いてワトソン役をさせたいって時点で超デレデレですよアイツ。ワトソン役なら伊賀兄も居るのに歯牙にも掛けてない感バリバリ過ぎる。
伊賀ちゃんは憧れで探偵を志したけど上野氏は才能が探偵という道以外を許さなかった、つまり伊賀ちゃんにとっての探偵はは祈りで上野氏のそれは呪いだったという話な訳ですよつまりは(胡乱な目) 二人の邂逅によって伊賀ちゃんの希望は砕けかけ上野氏はあわや"銘探偵"みてーなろくでもない存在に成りかけてた訳で、そっから演繹していくと最悪のルートは「上野あおと伊賀のための殺人」シナリオだったのでマジヤバかったと思いました
初読の衝撃で色々見逃してたが上野氏こいつ完全に伊賀ちゃんを今後の生涯のパートナーレベルで気に入ってるし囲う気マンマンなんだよな…(何が二人の初めての共同作業だよバカ!(何が推理入刀だよバカ!本当バカ!))
受精した卵子の比喩表現、素敵な友達に出会えて世界が広がった事を表すのにあまりにも不適切過ぎるしお前の脳が桃青の桃の方じゃねえか上野氏
「友達以上探偵未満(麻耶雄嵩)」の話に戻るが兄と結婚して伊賀ちゃんを手元に置く方法は夫婦や母としての生活が探偵活動の障害になるので悪手だと思います上野氏(倒置)
上野氏家庭環境的に一般家庭への憧れとかお嫁さん志望とか一切無いのは分かるが逆に伊賀ちゃんは結婚願望の有無ははっきりしてないのでそこ要注意だぞ上野氏(渋谷区でパートナー精度を利用すると探偵としての活動が云々とか言うと良いと思うぞ)
そういや「友達以上探偵未満」、帯の"勝てばホームズ。負ければワトソン。"とか"この世界に名探偵は二人も、いらない。"とか"女子高生探偵・ももとあおの絶対に負けられない推理勝負、開幕!"とかもうこれ女子高生部分と名前しか合ってないだろ
そういや表紙、てっきり小松崎類氏(ダンロンの人)とばかり思ってたので(超絶失礼(しきみさんという方でした))ああ…そういう…みたいな心構えをしていたが結果的に杞憂に終わったので良かった
「友達以上探偵未満(麻耶雄嵩)」軽く流し再読したけど二話目で女学生を猫撫で声で誑し込む伊賀ちゃんのシーン(マジ)の次の場面でやたら彼ピ彼ピ言ったり兄に気のある素振りをするのめっちゃ見覚えある展開なんだけどなんなんだろうな上野氏
上野氏の点数評価、3話の50点が「自分一人で出せなかった推理」に出す点数だとしたら他の点数もあぁ…って感じになるな…。 という事を考えてて長々と書いた